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2014.03.04FC岐阜 2014 J2 第1節 vsカマタマーレ讃岐 マッチレポート

快勝とプロ意識

 

「ひどい試合を見せて申し訳ない。もったいない試合だった」ぶ然とした表情で試合後の会見場にやってきたラモス監督は開口一番、そう話した。3-1の快勝、1万1千人もの観客も喜んだはずだが、新指揮官はまったく納得していなかった。

試合は序盤から讃岐ペース。讃岐は今季からJ2に昇格。前身の高松商高OBサッカー部から数えると58年、Jリーグを目指すクラブになってから9年目にして悲願のJ開幕戦。その勢いに圧倒され、岐阜は主導権を握れない。
先発メンバーの平均年齢で4歳も上回り、J2だけでなくJ1、日本代表を経験している選手の数も圧倒的に讃岐に勝っているが、トラップミス、パスミスなどバタバタとし、自分たちのリズムが作れない。川口能活や三都主アレッサンドロが「落ち着け!」「ゆっくり!」と言葉や仕草でメッセージを送るも、明らかに動きが堅く、チーム全体が開幕戦独特の緊張に包まれていた。「選手がプレッシャーを感じていて、難しい試合になると予想していた」と監督は話すが、これは予想以上だった。

09年までFC岐阜に在籍した高木和正、元日本代表の我那覇和樹、アンドレアら讃岐の攻撃陣に思い通りにボールを回されていた岐阜だったが、失点は免れていた30分過ぎ、ようやくチャンスが巡ってきた。パスが繋がり讃岐陣内に攻め込んで得たコーナーキック。三都主が蹴ったカーブのかかったボールをナザリトが頭でゴール前に落とす。それを難波宏明がゴールへ押し込んだ。1-0。新生FC岐阜の初得点は新加入選手の連携で生まれた。
劣勢の中で得点し、次第に落ち着きを取り戻した岐阜だが、本来の目指すサッカー、攻守の切り替えを早くシンプルにボールを回していくサッカーからはまだ遠かった。それでも後半に入った52分、讃岐ゴールから約20mのフリーキックを「規格外の選手」(讃岐・北野監督)ナザリトが噂通りのシュートでゴールネットを揺らし、62分には高地系治が追加点を取った。

3-0とし試合を決めたかと思われたが、讃岐は力を緩めず、岐阜はさらに受け身にまわった。ラモス監督が、ひどい試合と言ったのもこの状況。「3点差になって、なぜ自分たちがやってきたサッカーができなかったのか、なぜボールを繋いで自分たちから攻撃を仕掛けなかったのか」3分後、再三攻め込まれていた讃岐の我那覇とアンドレアのコンビネーションに失点を喫した。

難波は話す。「試合終盤、チーム全体の体力が落ちて、3点目を取る前から失点する危ない感じはあった。今後に繋がる試合ではなかったが、シーズンを通したら、またこんな試合は必ずある。その時にどうするかだ」

開幕戦は想像以上に難しい。チーム始動から1カ月あまりで選手に100%のパフォーマンスを求めるのも酷である上、3月に最高の状態になっても11月末まで9カ月に及ぶ長いシーズンを乗り切ることはできない。また、新生FC岐阜への期待は小さくなく、開幕戦でどんな試合を見せるか、注目の的であった。そのプレッシャーに百戦錬磨の選手も影響を受けたが、その中での勝利の意味は大きい。

ただ「プロとしてもっと良いプレイができたはず。もっとワクワクさせる試合ができたはず。プロの監督として納得できない」(ラモス監督)。監督が再三、チームに足りないと話し、そのために多くのベテラン選手を連れてきた「プロ意識」。それをファンに披露するのは次の試合へと持ち越された。

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取材・文/STAR+編集部

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