2014.07.17なでしこ 宇津木瑠美選手がゲスト参加 CPサッカークリニックレポート
皆さんは、「CPサッカー」をご存知でしょうか?
CPは英語の「Cerebral Palsy(脳性麻痺)」の略。CPサッカーは、脳性麻痺、脳卒中、脳外傷などによる身体障害者7人でプレーされるサッカーで、「脳性まひ者7人制サッカー」とも呼ばれています。
1984年のパラリンピック・ニューヨーク大会から正式種目となり、国際的には盛んにプレーされています。しかし、日本での競技人口は約130人と少なく、協会に登録しているチームはわずか9団体。日本はまだパラリンピックに出場したことがありません。東海地区では唯一「FCプログレッソ」が岐阜県羽島市を拠点に活動しています。
7月13日各務原市内で「脳性まひ者サッカー推進事業~Futsal for Everyone~」のフットサルクリニックが行われました。これは、CPサッカーをもっと多くの人に知ってもらい、パラリンピック初出場に向けてレベルアップを図ること目的に、日本脳性麻痺7人制サッカー協会が企画したものです。
全5回のうち2回目となる今回は、Falco岐阜の杉野一徳選手と花木寿弥選手、スペシャルゲストとしてなでしこジャパンの宇津木瑠美選手がコーチを務め、FCプログレッソのメンバーら脳性まひ者を含む約30人がフットサルを楽しみました。
今回の交流は、宇津木選手が自ら協会に協力を申し出て、実現しました。
フランスリーグでプレーをする宇津木選手は、言葉の壁や環境の違いなど、日本でプレーしていた時とは違う“不自由さ”を感じたことで、視野が広がったといいます。「人間的に成長するためにも、もっと多くの方と交流したい。人間としての成長は、サッカー選手としての成長にもつながるはず」とシーズンオフを利用し、積極的に色々な方と交流する機会をもっています。
しかしながら、障害のある方たちとサッカーをするのは今回がはじめて、最初は不安もあったそうです。「(脳性まひのある方が)どれくらい走れるのか、どれくらい蹴れるのか分からなかったので、ここに来るまでは少し不安もありました。でも、実際に一緒にプレーをして、皆さんのレベルが高さに驚きました」
最後に行われたゲームでは、宇津木選手とFCプログレッソの代表を務める栗本裕也さんがお互いのゴールをアシストし、大いに盛り上がりました。
(宇津木選手(左)と栗本さん(右))
「私が一番楽しんでましたね。障害のある方もそうでない方も、子どもも大人も、1つのボールを囲んで一緒に楽しめる。これがサッカーの力なのだとあらためて感じましたし、スポーツとはそういうものであってほしいと思いました」
(今回のクリニックには多くの女子選手も参加。「自分が小さい頃、澤(穂希)さんなどにサッカー教室で教えてもらったことを思い出しました。初心にかえれました」と宇津木選手)
私自身、これまで生活する中で障害のある方と接する機会はほとんどありませんでした。そのため、障害者とお会いすることがあっても、変に気を遣ったり、ぎこちない話し方になってしまっていたように思います。みなさんはいかがでしょうか?
障害者と健常者の間に隔たりのある現在の社会。しかし、この日のフィールドのように、障害者と健常者が自然に交流することが出来る、そんな社会が本来のあるべき姿なのかもしれません。そういう意味で、このフットサルクリニックの意義はとても大きいと感じます。
次回のクリニックは、8月9日テバオーシャンアリーナでの開催を予定しています。皆さんもフットサルを通じ、”あるべき姿”を体験してみてはいかがでしょうか。
宇津木瑠美選手公式サイト http://rumiutsugi.com/
Falco岐阜:http://falco-fs.com
日本脳性麻痺7人制サッカー協会:http://jcpfa.jp
FCプログレッソ:http://fc-progreso-cp.jimdo.com