2014.04.13FC岐阜 2014 J2 第7節 vs横浜FC プレビュー
「進化している」
「進化している」
メモリアル補助競技場で行われた練習後の囲み取材の最後に、ラモス瑠偉監督はこう断言した。
「ここ数試合、ミスから失点していたが、前節(愛媛戦)は無失点で守備面は結果を出したので、攻撃のパターンを増やそうとした」福岡戦後にそう話したラモス監督だが、9日の練習でも、サイドの選手がワンツーで抜け出す攻撃の練習を行い、さらに攻撃のバリエーションを積み上げた。
福岡戦では、右サイドバックの野垣内俊のクロスを左の三都主アレサンドロが決めたが、ここ数試合岐阜の決定機の多くは、SBの野垣内と三都主、サイドハーフの高地系治、太田圭輔から生まれている。「左サイドには、(高地)系治、アレさん(三都主)とパスを出せる選手がいるので、右は運動量多く、長い距離を走ることで崩せれば」と太田が話したように、選手の特徴を活かした攻撃でチャンスを創出している。
あとはそのチャンスを決めきる決定力だ。「試合でこのパターンは1回か2回しかない、確実に決めないと」と、ラモス監督は一つ一つの練習に「集中力」と「丁寧さ」を要求した。
また、ここ2試合得点のないナザリトには、「入団前にビデオを見たが、もっとサイドに流れたりして動いていた。真ん中にいるだけでなく、もっと動いて、サイドに流れて組み立ててほしい」と求めた。
今節対戦する横浜FCは、現在2連敗中。ホームでの3連敗は何としても避けたいはずだ。ボールを動かして相手を崩すスタイルの横浜FCは、中盤の寺田紳一らを起点とするパスから決定機を作り出している。敗れた福岡、熊本戦では、相手の激しいプレッシャーで寺田が高い位置でプレーできず、前線の選手に効果的なボールが入らなかった。寺田のプレーする位置は横浜FCの出来のバロメーターと言える。
一方の岐阜の攻撃の起点、高地は昨季まで横浜FCに所属。お互いの特徴は知り尽くしている。どちらが中盤のスペースを制するか。中盤の攻防戦は見どころであり、勝敗を分けるポイントとなる。
「ラモス監督からアドバイスをもらい、間でボールを受けることを意識している。プレーの幅が広がったし、それがチームとしてもハマっている。30代になっても、まだまだ成長できるという手応えを感じている」と太田は充実した表情で話す。チームだけではなく、個々の選手も「進化」を感じ始めている。
「2連勝3連勝すれば、選手が成長を肌で感じることが出来る。そうなれば、もっと伸びるんじゃない」(ラモス監督)
つかんだ手応えを手放さないためにも、横浜FC戦は勝利がほしい。
長良川競技場の桜の木もすっかり葉桜となり、若芽が力強く空へと伸び出している。
緑萌える季節は、すぐそこまで来ている。