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2017.03.06FC岐阜 2017 J2第2節 vs名古屋グランパス マッチレポート

飛躍を確信させる90分。昨季J1の名古屋に価値あるドロー。

 

3月4日(土)豊田スタジアムで開催された、名古屋グランパスとFC岐阜の名岐ダービーは、FC岐阜が79分に田中パウロ淳一のゴールで先制するも、終了間際に追いつかれ1-1の引き分けに終わった。

半数以上の選手が入れ替わり、新指揮官のもと新たなスタートを切った両チーム。豊田スタジアムに集まった21,878人の観客に、“生まれ変わった姿”を見せつけたのはアウェイ・岐阜の方だった。

岡田武史氏のもと日本代表コーチを務め、ヴァンフォーレ甲府監督、京都サンガ監督などを歴任した名将・大木武監督が岐阜にもたらしたのは、「できだけ長くボールを保持すること」と、相手ボールになった瞬間にボールに近い選手がプレスをかけて取り戻す「奪う守備」。キャンプで徹底して落とし込まれてきた大木スタイルは、早くもチームに浸透。開幕の山口戦は、序盤こそ相手のロングボールに苦しんだが、69.7%という圧倒的なボールポゼッション率で、後半は山口をシュート0に抑えた。

同じくポゼッションサッカーを志向する、昨季J1の“格上”名古屋に対しても、スタイルを変えることなく真っ向勝を挑んだ。前節と同様0トップ型4-3-3の攻撃型布陣で臨んだ岐阜は、両ウイングの古橋亨梧と田中パウロ淳一が高い位置を保ち、アンカーの庄司悦大、インサイドハーフのシシーニョらを中心にしたワンタッチのパス回しやサイドチェンジで相手を揺さぶっていく。

24分には古橋が左サイドからドリブルで持ち込みシュート。名古屋のGK楢﨑正剛に防がれるも、押し込まれた名古屋は両ワイドが下がり5バック状態に。そのことで、岐阜の高い位置からプレスをかけ“奪う守備”がますますハマり、セカンドボールのほとんどを岐阜が回収。名古屋の佐藤寿人が「岐阜がここまでボールをつないでくるとは思っていなくて、自分たちのやりたいことを前半はやられてしまった」と語ったように、前半は終始岐阜ペースで名古屋を慌てさせた。

後半になると、守備の修正を図った名古屋が徐々に主導権を握り始める。しかし岐阜は押し込まれながらも自分たちのサッカーを貫く。すると79分、シシーニョのパスを受けた田中がドリブルで切れ込み、左足を振り抜く。ボールは楢崎の手をかすめ、ゴールネットを揺らした。

追い込まれた名古屋はFWのフェリペ ガルシア、シモビッチを次々と投入し、力づくで岐阜ゴールに迫る。名古屋の猛攻に辛くもしのいでいた岐阜だが、90分八反田康平のCKをファーに飛び込んできた内田健太に頭で押し込まれ、あと一歩のところで今季初勝利を逃した。

試合後、FC岐阜の大木武監督は「本当に素晴らしい試合ができた。しかし1点勝っている状況で、踏ん張りが足りなかった。CKを与え過ぎる中で、昨年までの悪い癖が出てしまう状況に陥った」と手応えと課題の両方を口にした。

2試合連続で引き分けに終わった岐阜だが、山口、名古屋とタイプに違う相手に対して、自分たちの目指すスタイルで主導権を握ったことは大きな自信だ。何よりも、スペクタクルなサッカーは観るものを魅了し、岐阜だけでなく、名古屋のファン・サポーターをもうならせた。

新指揮官のもと生まれ変わったFC岐阜。次は内容だけでなく、勝利で岐阜の観客を沸かせたい。

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取材・文/山田智子

スポーツライター。Jリーグ公式サイト、エルゴラッソ、スタンダード愛知などで執筆。

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