2014.04.29FC岐阜 2014 J2 第10節 vsザスパクサツ群馬 プレビュー
きっかけでのゴールで、波に乗れるか。
GWシリーズの初戦を勝利で飾り勢いをつけたかった岐阜だが、前節は松本山雅FCに0-1で敗れた。勝ち点を得ることはできなかったが、収穫の多い試合でもあった。
一つ目の収穫は、この日がプロ初スタメンとなったFWの遠藤純輝だ。相手DFの裏に抜けたり、ドリブルでしかけシュートを放つなど、持ち味を発揮した。「夏までにベテランと一緒にプレーをしながら若手に経験を積ませたい」と繰り返してきたラモス監督だが、遠藤の積極的なプレーに時折ベンチから拍手を送り、及第点を与えた。
二つ目は、前節の栃木戦で課題が多く出た守備の修正だ。「今日はヘニキが中盤で潰してリズムを作ってくれた」との川口能活の言葉通り、ヘニキが中盤で強さをみせ、松本の攻撃の芽をつんだ。攻撃力のある水野泰輔とは違うスタイルで、ボランチのバリエーションが増えたことは長いシーズンを戦う上でプラスの要素だ。木谷公亮の怪我は気になるところだが、木谷に代わり急遽出場した関田寛士が安定したプレーを見せたことをポジティブに捉えたい。
一方、課題は決定力だ。前節のシュート数は岐阜の13本に対し松本は12本とチャンスの数はほぼ互角だったが、得意のセットプレーを確実に得点に結びつけた松本に軍配が上がった。中2日で迎えるザスパクサツ群馬戦。多くは修正できないが、フィニッシュの精度を高めることで、チャンスを確実に得点につなげたい。
対する群馬は3月に3勝し幸先の良いスタートを切ったが、4月に入り勝ちがなく4連敗中。3勝6敗で19位と波に乗れずにいる。
9試合で6得点、これはカターレ富山に次いでワースト2位タイ。その内の3得点を平繁龍一が決めているが、その平繁を怪我で欠いたここ4試合はわずか1得点。4連敗の要因となっている。
しかし、ボール支配率を見ると、9試合平均51.8%で7位(岐阜は46.9%)と決して低くない。前節の福岡戦では19本もシュートを放ちチャンスは作れている。あとはフィニッシュだ。
福岡戦は青木孝太を中心に攻撃を組み立て、前半4分に3試合ぶりのゴールで先制した。しかし、それ以降の決定的なチャンスで決めきれず、徐々にリズムを失い、後半41分、44分に失点、逆転を許した。
決定機を確実に決めたチームが勝つ。あまりにも当たり前なことだが、特にこの試合はチャンスを確実に決めた方が勝利を手にする、そんな試合になりそうだ。
前節の群馬vs福岡戦を見る限り、群馬はDFとMFの間のプレッシャーがきつくない印象で、比較的ボールを受けることが出来る。高地系治、太田圭輔が間のスペースでボールを受け、ナザリトに近い位置でプレーすることが出来れば、よりフィニッシュの精度を高めることができる。
実際に松本戦でも高地がFWに近い位置でプレーできていた時間帯は、パスがつながり岐阜が主導権を握れていた。シュートの精度だけでなく、ラストパスの質も上げることで、総合的な決定力を高めたい。
節目の第10節、試合開始時刻の13時の岐阜地方の天気はあいにく雨の予報。体力と集中力を奪われる試合になりそうだが、悪天候の中スタジアムに駆けつけるファンサポーターに、ゴール、そして勝利をプレゼントし、再浮上のきっかけを掴みたい。