アグレッシブな攻撃で、水戸の堅守をこじ開けられるか

 

「選手は、3連勝を手に入れることの難しさを肌で感じたのではないか」（ラモス瑠偉監督）
3連勝をかけて挑んだ前節の千葉戦は2点先制するも、後半に追いつかれ2-2の引き分けに終わった。

ゴールデンウィーク4連戦を締めくくりとなった試合は、難波宏明の怪我や三都主の出場停止もあり、スタメンを入れ替えて臨んだ。初先発となる比嘉諒人を右サイドハーフに、益山司を右サイドバックに起用、8節の栃木戦以来の出場となった田中智大がナザリトと2トップを組んだ。

「やってやろうという気持ちだけ強く持ってプレーした」（比嘉）、「ミスを恐れずやろうと思っていた」（益山）。このチャンスを絶対にものにしたいという気持ちを全面に出した、比嘉、益山、田中智の積極果敢なプレーから得点が生まれる。
前半6分、田中智が右サイドをオーバーラップしていた益山にスルーパスを送る。益山が中央のナザリトに合わせたクロスは千葉DFにクリアされ、続くCKも千葉ディフェンスがなんとかタッチラインに逃れる。9分、益山がゴール前に送ったロングスローを、ナザリトが一旦後ろに落とし、野垣内俊がゴール前に送る。それを田中智が落とし、最後は比嘉が押し込んで先制。FC岐阜SECONDから昇格したコンビで、うれしいプロ初ゴールを奪った。

比嘉のゴールに触発されるように、岐阜はさらに勢いに乗る。「前半はかなりいいゲームができた」（川口）「前半はチャンスをつくれていた」（水野）と選手たちも手応えを感じている通り、前半はほぼ理想的な戦いができた。

後半も岐阜のペースで進む。そんな中で迎えた60分、高地系治のFKを田中智が頭であわせ追加点。試合はほぼ決まったかに見えた。2点を先制され千葉は、直ぐさまFWのケンペスを投入する。その直後の67分、ミスで右サイド高い位置でボールを奪われると、右からのクロスをケンペス決められ2-1とされる。前半から飛ばした疲れもあってかミスが多くなり、76分にはPKを献上。それをケンペスに決められ、2-2で試合を終えた。

「若さが出たが、次に繋がるゲームだと思う。ちょっとだけ逞しくはなった」とラモス監督は悔しさの中にも手応えを口にした。3連勝は逃したが、そして若い選手が多く出場した中で負けなかったことは、自信となったはずだ。この千葉戦は、シーズン終わりに振り返った時、「転機」といえる試合になるかもしれない。そのためにも、今節の戦い方が重要となる。

 

今節対戦する水戸は、4勝4分4敗で12位。失点は8と湘南の5点に次いでリーグ2位、非常に守りが堅い。ボール保持者に激しくプレッシャーをかけ、ディフェンスと中盤でブロックを作って守りを固める。さらにゴール前には、J2最多出場記録を更新中（489試合）のGK本間幸司が立ちはだかる。前々節湘南を0-1と苦しめた守備には、岐阜も手こずることだろう。
昨シーズン水戸に在籍した難波の出場は微妙だが、前節同様、若手選手のアグレッシブな攻撃で水戸の守備をこじ開けてほしい。けが人が多いが、チャンスを得た選手が活躍する、ここまで当たっているラモス監督の選手起用にも注目したい。