2014.03.30FC岐阜 2014 J2 第5節 vs愛媛FC プレビュー
リオ五輪世代の二人のボランチが、勝負の鍵を握る。
FC岐阜は3月28日、2日後の愛媛FC戦に向け、北西部グラウンドで約2時間の練習を行った。2連敗中とは思えないほどチームの雰囲気は明るく、自分たちのサッカーに対する自信を感じさせた。
練習前半は、最終ラインと攻撃の選手に分かれ、それぞれ細かく最終調整を行った。
ここ2試合続けて3失点と課題の守備は、センターバックの木谷公亮とGK川口能活を中心に「ギャップを作られないよう」何度も修正を行った。さらに、「取るだけでなく、攻撃につなげる」ことにも重点をおき、ボールを奪ったら素早く、確実につなぐ練習も繰り返した。
後半のタッチ数を限定したハーフコートゲームは、時折ラモス瑠偉監督も参加し、選手からは笑い声が聞かれるなどリラックスした雰囲気。しかし、少し緩みすぎかなというタイミングでは、「遊びじゃないよ」と難波宏明らベテラン選手がすかさず声をかけて引き締める。
また、シュートを打てるチャンスで、パスを選択したFWに対しては、「あなたの役割はパスではなく、ゴールを決めることじゃないの?」とラモス監督が声を荒げる場面も見られた。
消極的なプレーを選択する選手は容赦しない。常にゴールを意識させる。ひとつひとつのプレーにこだわる緊張感のある練習は、そのまま良い試合内容につながっている。
昨年17位だった愛媛FCは、岐阜同様今シーズン大幅に選手を入れ替えた。前節ホームで今季初勝利をあげ、徐々に調子を上げている。
最も注意したいのはリオ五輪をめざす手倉森ジャパン(U-21日本代表)候補の、ボランチ原川力だ。前節の東京V戦では、GKとDFの間に正確なボールを送り、決勝点となった河原和寿のゴールをアシストした。広い視野と高い技術で決定的なパスを前線に供給するだけでなく、得点力も高い。攻撃の起点となっている20歳のボランチが高い位置でプレーできないようにし、愛媛の攻撃を封じたい。
原川と同じ20歳、2012年のU−19日本代表候補トレーニングキャンプにもともに参加した岐阜の水野泰輔も、前節の湘南戦でナザリトの2ゴールをアシストし、頭角を現してきている。水野が攻撃の起点として機能してきたことで、セットプレーだけでなく、流れの中で点が取れるようになった。「今の日本にこんなボランチがいるのかなと思うほど、凄くいい選手になる。じっくり育てたい」とラモス監督も大きな期待をよせる。
愛媛の原川、岐阜の水野、リオ五輪世代の二人のボランチが、勝負の鍵を握っている。
これまでの岐阜と愛媛の通算成績は1勝9分4敗。アウェイのニンジニアスタジアムでは、これまで得点も勝利もない。3連敗は何としても避けたい。好調の攻撃陣にはこのジンクスを打ち破って、勝ち点3を持ち帰ってきてほしい。
第5節 愛媛FC vs FC岐阜戦は、3月30日(日) 愛媛・ニンジニアスタジアムで16:00キックオフ。