STAR+ スタート | 岐阜のスポーツWEBマガジン PRE-OPEN!

STAR+ スタート | 岐阜のスポーツWEBマガジン

  1. HOME
  2. FOOTBALL
  3. FC岐阜 2014シーズンプレビュー 新生FC岐阜、新たなる船出。
FOOTBALL

2014.03.01FC岐阜 2014シーズンプレビュー 新生FC岐阜、新たなる船出。

FC岐阜三都主アレサンドロ選手

新生FC岐阜の目標は「今季J2、10位以内、2020年までにJ1昇格」。ここ数年は明確な目標を掲げられるほどの結果が出せず、J 2残留争いを続けていた。今年は財政的な支援もあって多くの選手が入団してきたが、明確な目標を掲げられるようになったことは、なによりクラブが生まれ変わった証拠だ。

日本サッカー界のレジェンド、ラモス瑠偉監督や、日本代表としてワールドカップに四度も出場した川口能活、同じく二度出場した三都主アレサンドロなど知名度の高い、派手な監督・選手の入団に注目が集まるが、補強したのは彼らだけではない。
3年間、大分トリニータをキャプテンとして引っ張ってきた宮沢正史、同じく大分から経験豊富なセンターバック深谷友基、左足から多彩なパスを繰り出す横浜FCのセンターハーフ、高地系治らを獲得した。守備が弱く失点の多かったチームの弱点や、昨年までのキャプテンで元日本代表の服部年宏が引退した穴を埋めること、中盤で攻撃を司る選手がいなかったことなど、抱えていた問題に的確な選手補強を行っている。
なかなかゴールが奪えなかった問題にも、U—20コロンビア代表のナザリトをあらたに迎えた。昨年までは資金が不足して選手補強もままならなかったが、今年は各ポジションに選手が揃いつつある。

 

ベテラン選手がもたらした「プロ意識」

 

さらにもう一つFC岐阜の問題点だったのは、選手たちに「プロ意識」が足りなかったこと。ラモス監督が就任会見時に真っ先に話したことでもある。昨年までは集中力が途切れて負けてしまう試合があったり、シーズン通してチームの調子の波が安定しなかった。そのプロ意識も、川口ら経験豊富な選手が言葉や態度で影響を与えていて、練習では多くの選手の目の色が変わってきている。

FC岐阜深谷智基選手はたして新生FC岐阜の今年の戦い方はどうなるのか。ラモス監督は難しいサッカーをしようとしていない。シンプルに攻守の切り替えの早いサッカーを求めている。守備面でも下がって相手を待ち構えるのではなく、ディフェンスラインを高くしていこうとしている。
監督は「負けないチームをつくるわけではない。勝ちにいく」と話していたが、今はまず守備に重点をおいているようだ(監督はもともとディフェンダー出身である)。
加えて考えるサッカー。練習では監督から「シンプルに!」「仲間のことを考えて!」と声が飛び、選手たちは仲間だけでなく相手の嫌がるプレイを考えること、プレイの先を見通すことが求められている。

 

魅力あるチーム、魅力ある街へ

 

ラモス監督は就任の際「岐阜は良い街なのに地域に元気がない。もっと魅力ある地域にしないといけない」と言い、それには強いチームをつくること。強いサッカーチームがあることで、子供たちは街に誇りを持つと話した。これは地域の人々に夢と楽しみを提供し、豊かなスポーツ文化を醸成するというJリーグの理念にも合っている。すでに岐阜の街は注目し期待している。その目標達成への第一歩を踏み出したと言っていいだろう。

生まれ変わったFC岐阜。選手だけでなく多くのことが変わったFC岐阜。岐阜の街だけでなく、全国から注目を集めるチームがいよいよベールを脱ぐ。どんなサッカーを見せるのか、どんなメッセージを伝えてくれるのか。

  • チェック

取材・文/小崎仁久

スポーツライター。スポルティーバ、スポーツナビ、J2マガジンなどで執筆。Jリーグ、なでしこリーグ、ビーチバレーなどをメインに活動。

ページのトップへ戻る