2017.06.21【東海高校総体2017 サッカー女子】期待膨らむ初陣。ここから、岐阜の女子サッカーの逆襲が始まる
第64回東海高等学校総合体育大会サッカー競技女子が、6月17、18日の2日間にわたり三重県・伊勢フットボールヴィレッジで開催された。
岐阜県からは、創立2年目の帝京可児高校が初出場。昨年のインター杯女王の静岡県代表・藤枝順心高校、愛知県代表・聖カピタニオ女子高校、三重県代表・三重高校と、2枚のインターハイ切符を争った。
ここ数年は出場選手が11人に満たず、2桁失点を喫するなど悔しい思いをしてきた岐阜県代表。今年は登録選手13人で臨む大会ということもあり、新星・帝京可児の戦いに注目が集まった。
2年生5人、1年生8人。昨年は7人に満たず公式試合には出場できなかったが、その分「1年間じっくりと温めてきた」(高橋悦郎監督)。13人となった4月からは、京都精華高校など全国の強豪校と練習試合を組むなど、本気で全国を目指して取り組んだ。
初戦は三重高校に0−3。続く藤枝順心高校にも0−5で敗れて、2敗で迎えた聖カピタニオ女子高校戦。全国ベスト8の実績を持つ“格上”に対し、“弱者のサッカー”ではなく、自分たちの目指すサッカーを真っ向からぶつけた。ボールを持つと、相手をかわして、前へ前へとボールをつないでいく。「特に2年生は、男子のつなぐサッカーを見てきたので、つなごうとする意識が強いのかもしれません」(高橋悦郎監督)
守備でもチャレンジ&カバーを遂行し、聖カピタニオ女子高の攻撃を封じ込めた。特筆すべきは、センターバックで起用された1年生の佐藤 優衣だ。聖カピタニオ女子高のエース・神谷千菜を密着マーク。午前中に行なわれた三重高戦で5発と大爆発したU-16日本女子代表候補に、粘り強く食い下がり、ゴールを許さなかった。
「(佐藤は)中学3年生の時にサッカーを始めた子で、昨年1年間、今の2年生と一緒に練習してきました。上級生にボールを回されてばかりいたので、自ずと守備が鍛えられた。対応の仕方にはまだ修正の余地がありますが、食らいつくというところではよくやってくれたと思います」(高橋監督)
後半19分、神谷千菜がヘディングで競ったこぼれ球を、鈴木栄美里に押し込まれて失点。0-1で敗れたが、試合を終えた選手、監督の明るい表情には自信がみなぎっていた。
3連敗で4位。結果は例年と同じだが、内容は雲泥の差だった。
「相手の油断に付け入りたかったが、甘くはなかったですね。選手は本当によくやってくれましたし、これまでやってきたことを自信にしてほしい。ただやはり甘くはなかったという部分はしっかりと受け止め、選手権に向けてまた0からトレーニングしたい。少しずつ力をつけて、(他県との差を)ひっくり返したいなと思っています」と高橋監督は穏やかに、しかし力強く語った。
近い将来、東海地区の女子サッカーの勢力図は劇的に変わるかもしれない。岐阜の女子サッカーの未来に明るい希望を抱かせる、堂々たる帝京可児の船出だった。
[帝京可児高校 メンバー]
GK 1 田北 真彩 (1年)
DF 4 佐藤 楓 (2年)
DF 8 塚田 晴子 (2年)
DF 6 沼倉 しおり (2年)
MF 10 奥田 優 (2年)
MF 7 加藤 郁乃 (2年)
MF 14 工藤 花梨 (1年)
MF 20 藤井 花音 (1年)
FW 13 佐藤 優衣 (1年)
FW 17 菊地 春貴 (1年)
FW 15 蒲 琴梨 (1年)
FW 19 寺田 音羽 (1年)
FW 18 舩坂 怜花 (1年)
[試合結果]
6月17日(土)
藤枝順心高校 7-0 聖カピタニオ女子高校
三重高校 3-0 帝京大可児高校
6月18日(日)結果
三重高校 2-5 聖カピタニオ女子高校
藤枝順心高校 5-0 帝京大学可児高校
三重高校 0-5 藤枝順心高校
聖カピタニオ女子高校 1-0 帝京大学可児高校
[順位]
1 静岡県代表 藤枝順心高校
2 愛知県代表 聖カピタニオ女子高校
3 三重県代表 梅村学園三重高校
4 岐阜県代表 帝京大可児高校